「アートにエールを!」動画

 

東京都は文化芸術への支援策として「アートにエールを!」というプロジェクトを立ち上げました。
これは新型コロナウィルスの影響で打撃を受けた文化芸術に関わる仕事をしている人材への支援で、動画作品を募集し、専用サイトで発信するというものです。

アレクサンダーテクニークスタジオ東京は、これまで多くのアーティストの心身のサポートをしてきました。毎夏の「表現とアレクサンダーテクニーク」ワークショップ、毎月の「アレクサンダーテクニークと表現」、「表現者のためのアレクサンダーテクニーク」シリーズなど、「表現」=「その人の表れ」を中心テーマにした取り組みもしてきました。
コロナウィルスの影響で、これまでの手法を見直す必要に迫られたのは、演劇、音楽など他のジャンルの活動と同様です。
感染拡大防止の観点から、社会的距離の確保、接触、接近は禁じ手となり、実際のワークに不可欠なことに大きな制約が生まれました。
アレクサンダーテクニークでは、目的と手段は不可分と考えます。つまり、「教える」という目的にどのような「手段」をとるか、ということは「何を教えるか」を左右すること、もしくは、同義と言えるかもしれません。
一体、私たちのワークの本質は何か、何が置き換えのできないもので、何が可変的なものなのか?
「表現」とは、制約の中でも現れるものです。むしろ、芸術の分野では大きな社会変動の様々な制約の中で、生まれてきたかもしれません。

できないことはたくさんあるけれど、今できることは何?
この状況の中で、私達は何を選び、何を選ばないか?
それは、新しい可能性を拓くことにできないか?

そんな思いで動画を作成させて頂きました。
大きな社会の流れのなかで、流れに棹差し、立ち止まって考えること、そうすれば流れに逆らうことも流れに乗ることも、留まり続けることも、そのほかのことも、多くの可能性の中から選択できる、ということはやはり素敵なことではないでしょうか。
角が立ったり、流されたり、窮屈だったり、とかく人の世が住みにくいけれど、人の作った世から引っ越すことはできないとは、かの漱石先生のお言葉。

この閉塞的な状況という現実の中で生きる私。
東京都からは「アートにエールを」(アーティストの生活にエールを)頂戴しましたので、私は「アートでエールを」お返しできれば。ご覧いただければ幸いです。

https://cheerforart.jp/detail/6674

製作には喜代原まりさんの多大なご支援で完成しました。