慢性的腰痛に対する治療効果 British Medical Journalの内容を教えて下さい

2020.05.28
 

イギリスの政府機関(NHS等)大学、一般医、STAT(アレクサンダーテクニーク教師協会)が連携して、慢性的な腰痛患者に対する治療効果に対する大々的な研究が行われ、2008年世界的に権威ある医学雑誌に発表されました。 その結果、経験あるSTAT教師による,1対1のアレクサンダーレッスン24回は、痛みの軽減、効果の持続性、予防効果の面で最も優れていました。(比較は針、マッサージ、一般的な治療)
これまでに何度となく、同様の調査結果が報告されていますが、2008年にBritish Medical Journal (BMJ)という世界的に権威のある医学雑誌に報告された調査結果は、各種機関が連携しあい、規模が大きく、調査法も非常に詳細なものであり、結果の信憑性がこれまで以上に科学的に証明されました。
簡単にその内容をまとめます。

実施した主体:英国医学研究評議会MRC(Medical Research Council) とNHS(National Health Service)研究開発ファンド (両方とも政府機関)
研究チーム:英国ブリストル大学のシャープ教授とサウサンプトン大学のリトル教授、キャサリン・バラード(STAT)フランシス・オックスフォード(STAT)

協力者:
STAT(Society of Teachers of the Alexander Technique )
アレクサンダーテクニーク教師(STAT会員)  59人
イングランド全体の一般医  64人
被験者 64人のGPからランダム抽出された慢性的、再発的腰痛患者579人
時期 2002年から2年間
なお、アレクサンダーテクニークは経験あるSTAT教師が1対1のレッスンを行ったもの

(調査方法)
被験者を①医師による通常の診療②24回のアレクサンダーテクニークレッスン③6回のアレクサンダーテクニークレッスン④6回のマッサージのグループに分け、3ヶ月後、12ヶ月後に効果を検証する。また、それぞれのグループの半分は療法士の指導のもとでエクササイズを行い、それぞれエクササイズとの組み合わせと単独で行った場合との比較も検証された。

(検証方法)
痛みによって損なわれた活動、生活の質、痛みの日数などをローランド・モリス障害スコアという方法を使って、数値化

(結論)
経験あるSTAT教師による1対1のアレクサンダーレッスン24回は、慢性的再発的な腰痛に対し、機能に大きな改善が認められ、腰痛の日数も減少し、最も効果的であった。
それに次ぐ効果は、6回のアレクサンダーレッスンとエクササイズの組み合わせで、1年後の効果は24回のアレクサンダーレッスンの約72%に達した。
マッサージは痛みに対して3ヶ月の効果があったが、機能に対する効果は1年後には認められなかった。
痛みの軽減、効果の持続性、予防効果というすべての点において、アレクサンダーテクニークの効果が最高だった。

詳細は以下のHPをご覧ください。
BMJホームページ